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ニーズの種類に詳しくなればビジネスはもっと確実で強固になる-顕在、潜在、そしてもう一つのニーズ

「ニーズの種類」などというニッチなワードを調べているあなたは、恐らく何らかのビジネスに携わっているのだろう。そして、なんとかしてそのビジネスを成長させたいと奮闘しているのかもしれない。

この記事は、ニーズがいかにあなたのビジネスを左右するのか理解してもらうためのものだ。そして、そうすればあなたのビジネスが大きな利益を伸ばし始めるというのは、あながち誇大広告でもないだろうと私は考えている。

ニーズの種類

ニーズとは、ある人が満たされない現状に対して、それを満たすために必要なものを求めている状態のことだ。現状が人それぞれなのと同じように、そこに必要なものも様々だ。

しかし、ニーズは雲のように掴みどころのないものではない。それは、次の3つとして分類することができるものだ。

顕在ニーズ

顕在ニーズとは、ある特定のものを求めている状態のことだ。ある人が、自分の求めているものを理解している状態と言い換えてもいいだろう。

たとえば、お腹が空いたときのことを考えてみよう。あなたは空腹で、駅前のマクドナルドでダブルチーズバーガーを食べたいと感じている。その「特定の何かを食べたい」、もっと一般的に言えば「特定の何かをしたい/欲しい/知りたいetc.」という欲求がある状態、それこそが顕在ニーズだ。3種類のニーズの中では顕在ニーズがもっともわかりやすく、現状を満たす特定の何かを見つけやすい。

また、顕在ニーズには深さがある。欲しい商品(欲求の満足策)について型番やどこで買うべきかなどの情報をすでに持っているほど深い人から、直面した問題に対して浅い認識しか持っていない人まで様々だ。その深さに応じて、その人たちにどんなものや情報を提供するべきかは変わってくる。

潜在ニーズ

ダブルチーズバーガーを食べたいと考えているとき、潜在ニーズはいくつも考えられる。

  • 単にお腹を満たしたい(実はダブルチーズバーガーである必要はない)
  • 他でもないダブルチーズバーガーを食べたい
  • 安いハンバーガーを食べることで庶民派ぶりたい

などなど、挙げようと思えばいくらでも挙げることができるだろう。つまり、潜在ニーズというのは、顕在ニーズの影に隠れた「なぜその顕在ニーズを満たしたいのか?」ということの理由なのである。

根源ニーズ

根源ニーズという言葉を聞いたことがある人は少ないはずだ。なぜなら、私が個人的に作り、使っている言葉だからだ。

顕在ニーズの土台、つまりそれを生じさせるものは、潜在ニーズだった。しかし、その潜在ニーズにも土台があるのだ。すなわち、人間の欲求・欲望である。

根源ニーズとして挙げられる人間の欲求は全部で17ある。生まれつき備わっている一次的なものが8と、生きているうちに身についた二次的なものが9だ。

まず、一次的な欲求は以下の通り。

  • より良く、より長く生きたい
  • 食べたり飲んだりしたい
  • 危険や痛み、恐ろしさから逃れたい
  • 性的に交わりたい
  • 快適に暮らしたい
  • 他の人よりも優位に立ちたい
  • 他者を助けたり、愛されたりしたい
  • 尊敬されたり、社会的価値を認められたい

このリストに異論のある人はいないはずだ。いたとしたら、その人はなにか重大な問題を抱えているのでカウンセリングでも受けたほうがいいだろう。そう言わざるをえないぐらい、これらの欲求は強力に人間の行動を決める要素なのだ。

次に二次的な欲求だ。

  • 何かについて知りたい
  • 好奇心を満たしたい
  • 身の回りや自分自身を清潔に保ちたい
  • 能率を高めたい
  • 便利であってほしい
  • 高品質で、信頼できるものであってほしい
  • あるものの美しさや流行を他の人に伝えたい
  • 支出を減らし、利益を出したい
  • 掘り出しものを見つけたい

こちらはあなたに当てはまるものと当てはまらないもの、どちらもあるのではないだろうか。二次的欲求の種類はその人のもつ歴史に左右されるので、すべての人に当てはまるということはない。また、一次的欲求に比べて我慢しやすい欲求であり、その意味で一次的欲求よりも弱いニーズを生み出すと言える。

ちなみに、「ニーズ再考|ニーズの種類、消費者はニーズを自覚していない」という記事では顕在ニーズを基本的(≒一次的)ニーズと副次的(≒二次的)ニーズとに区分しているが、一次・二次の区分は顕在ニーズ・潜在ニーズ・根源ニーズのそれぞれにある。潜在ニーズだからといって一次・二次の区別がないわけではない。

また、こちらの記事ではニーズを6種類に分けているが、これもなんとなく腑に落ちないと感じた。この記事を書いた人はニーズと欲求を区別しているが、挙げられている6つはどうみても欲求である。というより、ニーズと欲求を別物のように扱っているのが問題なのかもしれないが。

さて、人間の一次的・二次的欲求を紹介したが、重要なのは一次的欲求のほうだ。というのも、当然一次的欲求のほうがより多くの人にヒットする訴求点となり、その結果商品やサービスが売れやすくなるからだ。ニーズの調査はマーケティング、さらにはビジネスの成功を目指して行うものだから、「売れやすさ」を重要視するのは当然のことだろう。

それぞれのニーズを推測する方法

3つのニーズについて話し終えたところで、それぞれを推測する方法について提案させてもらう。やり方自体は単純だが、実際にはそれを行う人のリサーチ力や想像力が試されるだろう。ニーズが簡単にはつかめないものだからこそ、世界中の企業が膨大な資金を注ぎ込んで調査し続けているのだ。ただ、ここで述べる方法は個人でSEO記事を書く人にはいくらか使いやすいものでもあるはずだ。

顕在ニーズのヒントは検索クエリ

検索クエリとは、何か調べ物をしたいときに検索バーに打ち込むキーワードのことだ。検索ワードという言い方が多いだろうか。

検索クエリには、検索ユーザーの顕在ニーズが色濃く反映されている、というよりもむしろ顕在ニーズそのものだと言っても良い。

たとえば、「コピーライティング 本 おすすめ」というクエリならば、コピーライティングを勉強するのに誰かがおすすめしている本を選びたい、というニーズが見て取れる。「パソコン 最安」ならば、複数のパソコンの価格を比較し、その中でもっとも安いものについて知りたいと推測できる。顕在ニーズの推測はこれだけだ。重要なのは、次に述べる潜在ニーズと根源ニーズを想像することだ。

顕在ニーズから潜在ニーズを探る

潜在ニーズも、先の例をもとに見ていこう。

「コピーライティングを勉強するのに誰かがおすすめしている本を選びたい」という顕在ニーズはなぜ生まれたのだろうか。少なくとも、その人にはコピーライティングスキルを身につけたいという欲求があるだろう。このように、顕在ニーズを一段階掘り起こすことで、潜在ニーズは見えてくる。

「もっとも安いパソコンについて知りたい」というのであれば、その人は「お金はあまり出したくないが、パソコンはほしい」という欲求があるはずだ。しかしこの場合、もう一段階掘り起こしてみてもいいかもしれない。つまり、その人が本当に欲しいのはパソコンに限らず、「パソコンの機能を利用できるならなんでもいい」のかもしれない。その場合、キーボード付きタブレットやキーボードとタブレットのセットのようなものを進めることができる。

潜在ニーズの推測はあくまで推測の域を出ない。確かなことはその検索ユーザーと対話をしないとわからないだろう。しかし推測を試みることで、よりベターにビジネスをスタートさせることができる。

根源ニーズの推測

最後に根源ニーズについてだ。といっても、特別なことは何もない。潜在ニーズの候補を書き出し、それらを眺めながら、先ほどのリストと見比べてみよう。見ているうちに、大抵のニーズは人間の欲求と結びついていることがわかってくるはずだ。

アダルトサイトはその好例だと思わないだろうか。人間の純粋な欲求が全面に打ち出されたコンテンツであり、その力強さは並大抵ではない。そうしたサイトを見る人は、何度ワンクリック詐欺による請求を送られたり、家族に見られて恥ずかしい思いをしたとしても再びアダルトサイトに訪れるのだから。

補足だが、先ほど二次的欲求は一次的欲求よりも弱いと書いた。しかし、その中でも一次的欲求に匹敵するほどのコンバージョンを生み出す欲求があるのだ。

それは、「お金がほしい/自分のお金を減らしたくない」という欲求である。さっきのリストで言うと下から2番目だ。

お金は生存や生活と密接に結びついている。生まれたときから人はお金に振り回されて生きてきたのだから、二次的欲求の中で最も強い欲求であるのはむしろ自然なことなのかもしれない。

ビジネスの成功にニーズを知ることが不可欠な理由

ビジネスとは、言ってみれば人々に対してその欲求を満たすものを提供し、その代わりに金銭と受け取るという営みである。ニーズについて詳しくなることを通じて人々の欲求にコミットすることができれば、当然売上は増えるし、同時に人々にとって有益である。

また、応えようとするニーズの種類によって扱いを変えることで、さらにコンバージョン率を高めることもできるだろう。中小企業なら、大企業がすでに応えているニーズを狙わない、という戦略も考えられる。そして、企業の規模だけでなく、組織の種類(小売店、メーカー、研究所etc.)によってどのニーズを優先してカバーしていくかというニーズの優先順位も変わる(詳しくはこの記事)。

まとめ

ビジネスはニーズを知るところから始まる。大きな企業なら当然のことかもしれないが、ブロガーやライターの諸兄はこの機会に「ニーズ」の視点を強化してみるのはどうだろうか?

人間の欲求は正直だ。その欲求に基づいているニーズにしっかり応えていけば、きっとあなたのビジネスは大きな利益を生み出してくれることだろう。