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本の内容を記憶するための学習テンプレート-基本のやり方と簡略版

何かについて学びたいと考える人にとって、本の内容を1冊分覚えてしまうというのはかなり望まれる手段だ。というのも、良い教科書を1冊記憶してしまえば、その分野についての学習は半分終わったも同然なのである。

しかし、何度読んでも記憶に残らないことは珍しいことではない。言われたら思い出す、という段階で止まってしまっている人は多いのではないだろうか。

この記事では、本1冊の内容を記憶し、それらを知識に変えるための方法を1つ提案する。基本に忠実なやり方は少々負担が大きいだろうから、できるだけ効果が失われないような簡略版・縮小版も最後に添えておく。

方法の概要

ここで提案する方法は、大まかに言えば次の段階を踏む。

  • 記憶の受け入れ体制を整える
  • 記憶の引き出しを作る
  • 引き出しに情報をしまい込む

ここで言う「引き出し」は、それ自体が整理・タグ付けされていて、必要な情報を必要なときに引き出す事ができる。そのような引き出しに本の内容を整理してしまい込み、それらを知識として引き出せるようにしていく、というのが基本的なやり方だ。

手順1:通読+見出しごとの要約

まず、本全体の内容を理解するために通読する。これは、理解できない部分を探すための手順でもある。

大抵の本には項目ごとに見出しがあるので、それを単位として内容を要約していく。理解できていなければ適切な要約はできない。

見出しがない本(古い哲学書など)は内容についてメモを取り、読み終わった後にそれらを整理、見出しをつけておく。

手順2:目次の暗記

これが今回紹介する方法の特徴的な部分だ。目次を暗記することで、それを記憶の引き出しとして役立てる。書名から目次を思い出せるように練習しよう。

暗記する目次は、階層構造が十分整理され、かつ各見出しが簡潔で具体的に表現されているとなお良い。対象となる本の目次がそのようでなければ、さっきも言ったように自分で作り直せば良いだろう。

思い出すためには、何か「きっかけ」となるものが必要だ。俗に言う「記憶のフック」である。この方法では書名→目次→各内容という順で思い出すが、書名は目次の、目次は内容のフックとして利用する。

手順3:目次に沿って項目の暗記

手順1で見出しごとに要約を作成したため、それを記憶し、目次を見て再生できるように訓練をしていく。「要約」の形では覚えにくいというのなら、内容を箇条書きにしておいてもいい。

大切なのは、覚えるべき情報をもれなく盛り込むことだ。

手順4:「思い出す練習」と「通読」を繰り返す

目次と要約を暗記するだけで終わりではない。特に要約は内容を圧縮したものであり、要約と元々の内容が結びついている必要がある。そのために、書名→目次→内容で思い出す訓練と、その記憶を持った状態での通読をしばらくのあいだ続けていく。

いつまで繰り返せば良いかははっきり支持することができない。どうしてもそれぞれの人によって定着度合いは変わってしまい、下手に期間を指定すると身につく前に終わってしまう可能性がある。それに責任をもつことはできない。

だから、いつ一連の訓練をやめるかということに関しては、各人の判断に任せたい。

簡略版の手順

以上のやり方は、効果を少し落とす代わりにより簡単にすることができる。

  • 通読&見出しごとに要約
  • 各項目を暗記
  • 再通読

それぞれのやり方は説明してきた通り。内容を思い出す、ということについては基本の方法に劣るが、知識を蓄えるにはこの簡単な方法で十分かもしれない。

「思い出す」というパワフルな学習法

頑張って思い出そうとする学習法のことを「検索練習」という。暗記カードがいい例で、科学的に最強とも言われている学習法だ。

今回の方法はこの検索練習に重きをおいている。だから、実行さえすれば確実な効果が期待できる(やや負荷が高いのが難点だが)。

検索練習が本領を発揮するのは、強くストレスのかかる場面、受験や人前でのスピーチなどだ。記憶したいことに繰り返し触れる、という比較的負荷の低い学習法もあるが、それと検索練習を比べると、検索練習のほうが50%も記憶の定着率が上がる(タフツ大学の実験より)。

まとめ

以上の「本1冊の内容を覚える方法」のポイントは、

  • 検索練習によって強固な記憶を作る
  • 目次を暗記しそれを記憶のフックとして使う

の2点だ。最初は手を付けやすい新書あたりから試してみるのが良いのではないだろうか。最初に分厚い教科書を覚えようとすると、挫折した挙句にその挫折をこの方法のせいにしてしまいかねないので。